阪急電車/有川浩

阪急電車

阪急電車

 電車。それは不思議な空間。ある人にとってはその電車に乗るのが日常で、ある人にっては用事があるから利用しているだけとかの理由で非日常であったり。だから日常と非日常が入り乱れている。そこでは、乗っている人は殆どが知らない赤の他人なのだけれど、そこに連続して、つながっている「何か」が存在していたりする。殆ど知らない人だから、毎回新たな出会いが存在し、そして別れていく。でも、普通に生活していたら接点がないような人とも、電車の中では接点を持ち、共有している。そして、実は同じ電車に居合わせた事以外も共有していることがあったり。元婚約者の結婚式に討ち入りした女性やかっこいい(?)おばあさん。彼氏から暴力を受けている女子大生や、年上の馬鹿な彼氏(最高に良い奴だけどね!)と付き合う女子高生。同じ図書館に通う男女。同じ大学に通い、同じ教科書をもっていた男女。そんな人たちが交わり、恋が始まり、恋が終わり、ある人は決心を固め、ある人は心が晴れる。そんな物語が詰まった短編集。
 この本、読めてよかったな。そう思えました。かなりおススメです。というか、僕は有川さんの作品好きなんでしょうね。「図書館戦争」シリーズ同様ベタ甘な部分が今回もあり(笑)そういうのが大丈夫な人は是非!

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080220/acd0802200818001-n1.htm
http://book.asahi.com/review/TKY200802260101.html