笑えばいい

今、結構つらい。何が?と問われれば「精神的に」と言ってしまえば一言なのだろうと思う。ただ、別にまだ仕事で切羽詰っている訳でもないし、何か大きな問題を抱えている訳でもない。だから、傍から見たら特に何もないと思われるだろうな、と自分でも感じているのだが。

 僕は甘いのだろう。

問題を抱えていないというのはちょっとだけウソで、僕は大きな穴を開けた。その穴というのは、自分自身にとっての穴。その穴は本当に大きくて、深くて、底が見えない。これを埋めようとする努力を放棄したいと思うことさえしばしばで、実際、今僕はなんの手も打てていない。それぐらいの穴がポッカリとある。
普通人は、自分にあいた穴を何かを代替にして埋めようとする。悲しみという穴が開いたら楽しい事をして穴を埋め、寂しさという穴が開いたら誰か友人などと遊んで穴を埋める。僕もそうするべきなのだろうか。たぶん、代替案は見つからない。僕は、あらゆる全ての力をかけようとしたものを一瞬にして失ってしまった。全て。本当に全てをかけようとしたものを。その穴は、埋められると思えない。
人間は、経験から強くなるらしい。僕はこの穴をあける経験をしたことで強くなれたのだろうか。埋められていないという事は強くなれていないのだろう。でも、経験は積んでいる。強くなってはいるのかもしれない。ただ、それは脆い強さだ。穴が開いて芯が通っていない強さ。

芯がないものは、折れやすい。

 何かを代替にしてしかえられないものなんて、尊いものでも、素晴らしいものでもない。恋人が死んでしまう純愛系の展開なんてまさにそうで、恋人がしななければ完結しない純愛なんてクソ食らえという感じだ。
セカチューとかがブームの時に眞鍋かをり姉さんが「どんな人がいいですか?」という問に対して言った「生きている人がいいです」は至極の名言だと思った。