読み返して

 僕は読書ペースに大きな波があるようだ。ようだ、と他人事のように書いているが、はっきりと自覚している。どうも活字を欲する時と活字を受けつけない時とが入れ代わりに顔をみせる。活字を欲している時は本に集中してしまい、周りが全く見えない。見えないというか気にならない。一度本当に電車で乗り過ごしをしそうになったことすらある。まあこれにはiPodで音楽を聴きながら、という要因もあるとは思うが。
 活字を受け付けない時とは。明確には理由がわかっていないのだがどうにも乗らない。ただ、思いつく点としては、買っておいてまだ未読の本を手にとるのだが、どうも進まない事が多々ある。たぶんこれは「旬」を逃したのだろうと、思う。買ったときは「これ、よさそうじゃん」と思って買っている。読む気満々。ただ、先に買ってあった本や現在読書中の本を読んでいると、買ってからある程度の日にちが経過してしまう。そうなると、買っておいた本の、自分の中での「旬」を逃してしまうのだろう。これは、大きい気がする。ただ、その「旬」を逃したのち、寝かせておくとまた「旬」がやってくる。その時に、読む。一気に。この二度目の「旬」は逃せない。逃したら終わりだ。だから、読む。
 僕は本にも「旬」は確実に存在すると思う。それは、食品の「旬」とは若干違うものだと思う。世間的にはやっているとか、最新刊だ、とかそんなものではない。あくまでも「自分自身にとって」なのだろう。自身にとっての「旬」。それを大事にしたいと思った今日この頃。