ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと虎と魚たち [DVD]

ジョゼと虎と魚たち [DVD]


足に障害をもったジョゼと大学生恒夫の物語。


ラストシーンは良かった。
最後はジョゼから逃げてしまった恒夫。逃げた理由というのはジョゼが身体障害者だからというのがあったのだろうか。
それを理由にして逃げた恒夫を非難する向きもあるだろうけれど僕は正直言って非難できない。僕は聖人君子でもなければ弱い男だ。たぶん恒夫よりも大分。だからジョゼとの別れを選んだ恒夫を攻めることが出来ないな、と。
そしてジョゼとの暮らしに別れを告げ香苗と歩きながら途中で号泣してしまう恒夫。この涙はジョゼへの想いはありながらも逃げてしまった事での涙なのだろうか。それとも単純な悲しみの涙なのか。

その次のシーンでジョゼは電動車いすで颯爽と街を走っている。家では綺麗になった部屋で一人前の魚を焼いているジョゼ。そして、以前と同じように「ドスン」と床に降りる。ジョゼは経験をつんだことで成長し、力強く生きていた。

そして、くるりの「ハイウェイ」。素晴らしい。

結末は別れたわけで明るい訳ではない。けれど悲壮感がまったくなかった。むしろ前向きだった。とことん前向き。そんなラストに僕はなにか元気をもらった気がした。